宇治橋
宇治橋(うじばし) 2008/05/11訪問
放生院から再び宇治橋東詰に戻り、宇治橋を渡る。
宇治橋は放生院で触れたように、大化2年(646)に宇治川に架けられた橋である。滋賀県大津市の瀬田川にかかる「瀬田の唐橋」と京都府大山崎町の淀川にかかっていたといわれる「山崎橋」と共に、日本三古橋の一つに数えられている。
現在の橋は、長さ155m、幅25mで平成8年(1996)に架け替えられたものである。擬宝珠を冠した桧造りの高欄という伝統的なデザインは、この地を訪れた人々に宇治の歴史を感じさせるのには最適な選択であるように思われる。
宇治橋の上流側、すなわち平等院側には張り出した場所が設けられている。橋の守り神である橋姫を祀る「三の間」である。また豊臣秀吉もここから茶の湯を汲ませたという逸話があり、現在も行われている「茶まつり」ではここの水を汲んでいる。
橋の西詰めには紫式部像が置かれている。当時の美人の基準で作られた像と思われるが、あまり具象性が強いとそれ以上のイメージが生まれないように思う。この場に立てば紫式部を通じて源氏物語を想起できるだけの強さが紫式部にも源氏物語にもある。明らかにこの像は不要なもののひとつだろう。
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