設定変更について その9
設定変更について(せっていへんこうについて) その9
設定変更について その8で書いたように、本ブログを維持して行くためには全面的な書き換えが必要であり、新しいシステムの開始はその実行のための条件も満たしている事が分った。それではどの部分をどのように変更するかがである。
まず、第一にHTML構文の見直しである。これは新しいシステムでの表示を正常なものにするために欠かせないことでもある。これをどのようにして実現するかについては後述する。
第二に行うべきはSSL暗号化通信。上記のようにHTML構文の書き直しを行うならばブログ内で記述されているリンク先の再確認を行い、必要な部分はhttpからhttpsに変更する。そして第三はリンク先が現在も使用されているかの確認である。既に最初の投稿を行ってから10年以上を経過している。その時は存在していたサイトも今ではアクセスできなくなっている。またサイトは残っていても新聞の記事のように参照期限が終了したものもある。それらの見直しもこの際行っておこうと思う。
第四はアクセス頻度の把握。もともとウェブリブログが提供してきたアクセスカウンタは実体より多めに数字が出ていたように思われる。新しいシステムが提供するアクセスリポートに変わったことで、多くのユーザーは「アクセス数が急に落ちた」という旨のコメントを寄せていることからも分る。もう少し厳密に、アクセス数、ページ遷移、ユーザー特性などが分るツールとしてGoogleアナリティクスを実装することにした。GoogleアナリティクスはGoogle社が提供するアクセス解析ツールで、「サイトの訪問者数はどれくらいか」、「訪問者はどこから来たのか」「使われたデバイスはスマホかパソコンか」などの多様なデータ計測を無料で行なえる。ここまで本格的なツールを個人が趣味で運用するブログで使用する必要があるかという素朴な疑問も残るものの、非常に容易にインストールできることから採用した。
以上が新しい「徘徊の記憶」を構築するために行うべきと考える項目である。
ウェブリブログは、MT形式で保存データをエクスポートする機能を提供している。これがデータをウェブリブログの外に持ち出す唯一の方法である。MT形式はMovableTypeの略で、ブログ記事をデータ化するフォーマットの一種である。その名称からも分るように、ブログサービス間の引越しに使われることが多い。表記の方式は簡単で、投稿者を記述するAUTHOR:から始まりブログにつけるタグ名を定義するTAGS:。ブログの本文はBODY:以降に格納され、コメントはCOMMENT:、トラックバックはPING:の後に記述される。つまりブログ本文だけの編集ならば、BODY:部分だけの書き換えで済む。
新しいウェブリブログのインポート機能には文字コードの選択とともに、basename取込が追加されている。これを使用すれば、MT形式のインポートで既存記事の上書きができる。つまり以前のように全記事削除をしなくても書き換えが可能になった。
第一に行うべき項目としてあげたHTML構文チェックも、上記のMT形式によってエクスポートされたファイルのBODY部分について行うことになる。HTMLコーディングをチェックするサイトはいくつかあるが、800を越える記事のチェックを手作業で行うことは、作業が膨大になるため断念した。HTMLエディタについても自動化が困難であるため採用しなかった。結局、ファイルメーカーを使用してHTMLを生成するプログラムを作成することとした。上記のようにMT形式でエクスポートしたデータをファイルメーカーに取り込み、その中からHTMLタグに関連する部分と普通の文書の部分に分けた。そしてHTMLタグに関連する部分に対して正しいHTMLコーディングが成されているかを確認することとした。今まで徘徊の記憶のブログ記事で使用したHTMLタグは多く無かったので、画像ファイルの表示や新たに開くリンク先の記述など、いくつかのパターンに分類しタグの記述方法の統一を図った。例えば、画像ファイル:sample.jpgを表示する際には下記のIMGタグを使用する。
<img src=”sample.jpg” alt=”サンプル画像”>
IMGタグにはsrcやalt以外にも画像の大きさを定義するwidthとheightや画像の周りの余白やボーダーラインの太さを設定する属性がある。ここでは徘徊の記憶で使用する必要最小限のHTMLタグとその属性を決め、HTMLコードを生成する16のカスタム関数を準備した。今回の目的は汎用的でフルスペックのHTMLコードを生成するエディタを作るのではなく、あくまでも徘徊の記憶の中で使用するHTMLコードだけを生成する機能に留めた。上記のimgタグを生成するために、html_imgという関数を定義した。使用できる属性はsrc class alt title width heightの6つでそれぞれが引数として設定できる。つまり、
html_img(“sample.jpg”,600,400,” up-image”,”サンプル画像”,” 画像を等倍で表示します”)
と書けば、
<img src=”sample.jpg” width=”600” height=”400” class=” up-image” alt=”サンプル画像” title=” 画像を等倍で表示します”>
というHTMLコードが生成される。このようなHTMLタグ用に準備したカスタム関数を用いてブログ記事の再記述を行った。例えば、
html_figure ( Text[5] ; html_div ( “center” ; “ImageC” ; html_a ( Link[2] ; gtag ( gtag[1] ; gtag[2] ; gtag[3] ) ; “_blank” ; html_img ( Link[3] ; size[1] ; size[2] ; “up-image” ; “画像” ; “画像を等倍で表示します” ) ) ) & html_figcaption( html_div ( “right” ; “CaptionR” ; Text[1] ) ) )
という記述から
<figure id=”Img001″><div align=”center” class=”ImageC”><a href=”https://visual.information.jp/Images/2008/20080510_IMG_C6557L.jpg” onclick=”gtag(‘event’, ‘openPhoto’, {‘event_category’: ‘Image’,’event_label’: ‘20080510_IMG_C6557L.jpg’});” target=”_blank”><img src=”https://visual.information.jp/Images/2008/20080510_IMG_C6557S.jpg” width=”600″ height=”400″ class=”up-image” alt=”画像” title=”画像を等倍で表示します” /></a></div><figcaption><div align=”right” class=”CaptionR”>泉涌寺 総門 泉涌寺道</div></figcaption></figure>
というHTMLコードを作り出した。関数中で使われているText Link gtag sizeはファイルメーカーのフィールドであり、そのフィールドには記事から読み取ったテキストデータや数値データが保管されている。カスタム関数はそのフィールドからデータを呼び出してHTMLコードを作り出している。
最初にあげた4つのブログ再構築の目標の内、80%以上の作業は地味なHTML構文の見直しとリンク先が現在も使用できるかの確認であった。SSL暗号化通信やGoogleアナリティクスの実装からリポートの作成は、技術的な理解に時間を要したものの作業自体は短時間で完了するものであったので、同じようなことを考えている方には実行をお勧めいたします。
誤ったHTMLの書き直し、リンク先の更新、http:からhttps:への変更、そして必要な箇所にGoogleアナリティクスのgtagを設定した後、ファイルメーカーからMT形式のデータファイルを書き出す。そしてウェブリブログへ上書きインポートすれば全ての作業は完了する。今考えれば、ここまでに凡そ半年を費やしたことになる。最初にこのスケジュールを予想していれば、このような無謀な再構築など考えなかったかも知れない。
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