徘徊の旅の中で巡り合った名所や史跡などの「場所」を文書と写真と地図を使って保存するブログ

アーカイブ:2021年 8月

鞍馬寺 その6

 

鞍馬弘教総本山 鞍馬山鞍馬寺(くらまでら)その6 2010年9月18日訪問 鞍馬寺 奥の院の入口 鞍馬寺 その5では、鞍馬寺と与謝野鉄幹・晶子夫妻の関係から2人が創設に関わった文化学院の挫折、そして2人の歌碑と冬柏亭を見てきた。ここからは鞍馬寺の教義の推移、鞍馬山と修験者について書いてみたい。鞍馬寺の成り立ちを知る上で、第一に挙げねばならない書物は「鞍馬蓋寺縁起」であろう。これは室町時代に纏められたもので、大日本仏教全集に収録されている。「鞍馬蓋寺縁起」はその名称通り鞍馬寺開創の歴史を綴ったものである。上一と二段に鑑禎上人が鬼女と毘沙門天王に出会った説話が残されているが、この説話は「鞍馬… ►続きを読む

 

鞍馬寺 その5

 

鞍馬弘教総本山 鞍馬山鞍馬寺(くらまでら)その5 2010年9月18日訪問 鞍馬寺 冬柏亭 由岐神社の拝殿を潜り、鬼一法眼社、魔王の滝、吉鞍稲荷社、そして放生池を過ぎると再び普明院に戻る。ここから再びケーブルを使い本殿金堂を目指す。そこから今度は奥の院参道に入って行く。 鞍馬寺 奥の院入口 本殿左側の参道を進むと霊宝殿の手前に與謝野晶子・寛歌碑と冬柏亭がある。先代管長の信楽香雲が與謝野晶子・寛に師事したことからこの鞍馬寺に造られた。香雲管長の前半生の自叙伝「独り居るを慎む」(鞍馬弘教総本山鞍馬寺 2004年刊行)の略年譜によれば明治28年(1895)に岐阜県郡上郡八幡町の服部真静… ►続きを読む

 

由岐神社

 

由岐神社(ゆきじんじゃ) 2010年9月18日訪問 由岐神社 本殿 鞍馬寺 その4で、九十九折の参道を下っていくと、川上地蔵堂と義経公供養塔を越えた先に由岐神社の割拝殿が見えてくる。由岐神社は鞍馬寺の鎮守社であり靭明神とも呼ばれる。大己貴命と少彦名命を主祭神として由岐大明神と総称する。また八所大明神を相殿に祀る。もともと八所神社は鞍馬山山頂にあったが文化年間(1804~18)に由岐神社に合祀されている。恐らく文化11年(1814)鞍馬寺は全山炎上の大火災を被っているので、それ以降のことと考えられる。 由岐神社 本殿 縁の上に石造狛犬が見える 大己貴命は大国主神で国津神の主宰神とされ… ►続きを読む

 

鞍馬寺 その4

 

鞍馬弘教総本山 鞍馬山鞍馬寺(くらまでら)その4 2010年9月18日訪問 鞍馬寺 金剛床と本殿金堂 寝殿と転法輪堂の間の石段を登っていくと本殿金堂が建つ地盤面に到達する。仁王門前からここまでの間でこれだけ広い平坦な土地はなかった。ここに鞍馬寺の主要な堂宇が建設されるのは必然の事であろう。本殿金堂は文化11年(1814)3月29日に焼失し、明治5年(1872)秋に再建されている。しかし昭和20年(1945)にまたも全焼したため、昭和46年(1971)にRC造で再建したものである。この年の6月7日に落慶供養が執り行われている。七間七間で一重入母屋造。内部は外陣、内陣、内内陣に分かれ、内内陣… ►続きを読む

 

鞍馬寺 その3

 

鞍馬弘教総本山 鞍馬山鞍馬寺(くらまでら)その3 2010年9月18日訪問 鞍馬寺 多宝塔 鞍馬寺では鞍馬の地名について、そして鞍馬寺 その2では鞍馬寺の開創から現在の鞍馬弘教総本山までの歴史を見てきた。ここでは境内について書いていくこととする。仁王門へと続く石段の左手には歓喜院修養道場がある。既に廃絶した山内の十院九坊を結集するために昭和39年(1964)に建立されている。聖観音像を奉安し写経・法話ならびに書道・華道・茶道・水 墨画によって心を磨く修養道場となっている。石段の上に建てられた仁王門を潜るとすぐに普明殿と呼ばれる堂宇に参拝者のためのケーブル駅が設けられている。この鞍馬山ケー… ►続きを読む

 

鞍馬寺 その2

 

鞍馬弘教総本山 鞍馬山鞍馬寺(くらまでら)その2 2010年9月18日訪問 鞍馬寺 仁王門 叡山電鉄の鞍馬駅から大天狗を左手に眺めながら進んでいくとすぐに鞍馬街道に合流する。道なりに歩を進めると鞍馬寺の石段とその上の仁王門が見えてくる。石段の右手には赤褐色の鞍馬石で造られた寺号標が建つ。仁王門は柱間が正面三つで中央の一間が戸口になっている三間一戸の丹塗の楼門様式。元からあった古い楼門が明治24年(1891)11月に焼失している。今の仁王門は20年後の明治44年(1911)4月に復興竣工したものとされている。この仁王門の脇には勅使門があったことが、京都府立京都学・歴彩館のデジタルアーカイブ… ►続きを読む

 

鞍馬寺

 

鞍馬弘教総本山 鞍馬山鞍馬寺(くらまでら) 2010年9月18日訪問 鞍馬寺 寺号標と仁王門 貴船での最後の訪問地・貴船神社結社の参詣を終え、京都府道361号上黒田貴船線を南に戻る。再び叡山電鉄貴船口駅より電車に乗り一つ先の終着駅・鞍馬駅で降りる。 駅の改札口を抜けると大天狗のモニュメントが観光客を迎える。鞍馬の自治会が平安建都1200年を記念して1994年に製作、2002年より鞍馬駅前に設置されている。鼻の長さ2.3mの大天狗の面は発泡スチロール製であったことから劣化が進み、ついに2017年1月17日の朝、積雪の重み耐えられず鼻から先が折れてしまった。この事故とともに補修されるまでの間… ►続きを読む

 
 

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