佳水園 その4
ウェスティン都ホテル京都 佳水園(かすいえん) 2008/05/12訪問
ウェスティン都ホテル京都の公式HP(http://www.westinmiyako-kyoto.com/guest/kasui.html : リンク先が無くなりました )を見ると2009年6月現在、数寄屋風別館 佳水園の客室数は20室で、一室あたりの料金が設定されている。部屋の大きさが異なるため室料金も一律でない。またこの料金には食事が含まれていないらしいが、4室限定で一泊2食付サービスが受けられるように説明している。そして以下のような記述が付け加えられている。
ご滞在中は、「佳水園」専用のコンシェルジュとして「女将」がおもてなしをいたします。
佳水園はホテル内の数寄屋風別館という位置づけのため、全室旅館並みのサービスとはいかないようだ。サービスと人件費の関係をホテル全体の料金体系の中でどこに設定するかという難しい課題であることが良く分かる。またこのホテルを利用する人の中でどのくらいの人が旅館としてのサービスを期待しているか?という問題もあるのだろう。
今回宿泊した部屋は、雪の3という部屋であった。20室がいくつかのブロックに分かれ、そのうちの一つが雪と呼ばれているらしい。中庭に面した廊下から少し降りた高さにあったので、おそらく本館と佳水園を結ぶ渡り廊下の近くにある部屋だと思われる。
廊下側から部屋の入口が直接見えることがないように、小さなアルコーブが造られ、さらに木製の木戸のようなものが拵えられている。現在も使われているかは分からないが茶室の中門のような役割を果たしている。どうも部屋に案内されたときは開いていたような気がする。
部屋への入口は襖や引き戸ではなく、木製の開き戸であった。踏込みの突き当たりの壁には照明があり、床には踏み石が置かれている。ここで下足する。傍らには籐のスツールが置かれていた。これは靴を履くときに使うのだろう。
踏込みの襖の先には2畳の次の間があり、その先には左側から洗面台、便所、浴室が並ぶ。
次の間の左壁には押入れがあり、寝具が収納されている。押入れの襖は開き戸になっており、左右の大きさが異なる。大きい左側の襖は布団のサイズで決まっている。次の間と水廻りの間との間には木製の引き戸が入っている。狭い空間の中で引き戸、開き戸、ドア、襖をうまく配置している。引き戸の手間には姿見が置かれている。
次の間から入った8畳間の、正面と左面の半分が障子となっている。正面上部の欄間には縦に二重、横に一本桟を入れている。障子も一番下だけ横に三本桟を入れ、軽さを演出している。この障子を開けた先の板間には応接セットが置かれ、その先にはカーテンの引かれた窓がある。冷蔵庫は左手奥にあった。8畳間の左面の障子の手前には文机が置かれているので、書きものができるような明かりとりとなっている。障子の先にあるカーテンは板間からつながっている。
この文机の置かれた障子の対面には床の間が作られている。非常にシンプルな構成となっている。障子の左手には暖房器具とテレビが置かれている。寝具もこのテレビが見られるように、床の間に頭を向けて敷かれていた。もちろん床に置かれた照明器具(http://shopping.yamagiwa.co.jp/shop/goods/goods.aspx?goods=C-S2807 : リンク先が無くなりました )は、村野がデザインしたものである。
また天井は二段になっており左手の障子の部分が下がっているのは、屋根勾配によっているのではないかと思う。次の間から正面の窓に向っての棹縁天井となっている。
やや古くなった感もあるが、十分に気持ち良い部屋である。到着時にケーキが運ばれて、もてなされた。変にこちらが気を使ってしまうようなサービスもなく、ホテルの和室として使わせて頂きました。
今回は食事が付いていないので、夜は歩いて三条に出て先斗町、祇園と廻った。
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