嵐山花灯路
嵐山花灯路(あらしやまはなどうろう) 2008年12月21日訪問
12月の嵯峨の日没は早く、すでに祇王寺の苔の庭園は写真も撮れない暗さに沈み込んでしまった。祇王寺を後にして再び愛宕街道に建つ4本の道標まで戻ったのが17時頃であった。
日が落ち、辺りが暗闇に包まれてくると、いろいろな場所に置かれた灯籠に灯が入る。嵐山花灯路が始まる。二尊院の門前がライトアップされ、門前に飾られた巨大な活け花に見入る人が増えてきた。
京都・花灯路は、平成15年(2003)3月から東山地域において、灯りをテーマとする新たな観光資源の創出事業として開始した。この嵯峨・嵐山地域でも平成17年(2005)12月から始まる。すなわち12月は嵯峨・嵐山地域で、翌年の3月には東山地域で開催されるようになった。今年が2008年であるから嵯峨・嵐山地域で開催されるようになってからの4回目にあたる。
嵐山花灯路の会場は、大覚寺と大沢池、長神の杜、野宮の竹林の小径、渡月橋と中の島公園の4箇所を中心に、これらをつなぐ道々には灯籠が設置されている。そのため北は二尊院と長神の杜から、落柿舎、常寂光寺、大河内山荘、野宮神社、天龍寺、渡月橋と中の島公園そして法輪寺までの一帯全体が会場という趣である。
二尊院からシャトルバスに乗り大覚寺に向かう。大覚寺の門前には紡錘形をした巨大提灯に嵯峨という文字が記されている。ライトアップされた勅使門の前を過ぎ大沢池に廻ると、光に照らされた黄色い蝶を象ったオブジェが池一面に設置され、昼間とは全く異なった景色が作り出されていた。その奥に見える多宝塔もライトアップされ、水面に美しい姿を落としている。石仏群の先の竹林には、円錐状に巻いた和紙を竹に見立て灯籠を並べた小道が造られている。このあたりは、京都嵯峨芸術大学による協賛事業であった。提灯やオブジェや和紙の灯籠にしても、非常に安価に制作しているに関わらず、良い効果を引き出している。学生らしい活動とも言える。
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